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免疫異常の関与する皮膚病の一つに、乾癬があります。

乾癬とは、皮膚の一番外側にある表皮の新陳代謝（古い細胞と新しい細胞の入れ替わり）が異常に高まってしまう病気です。

古い皮膚が完全に剥がれ落ちる前に新しい皮膚がどんどん作られてしまうので、患部の皮膚表面かじょじょに盛り上がり、カサカサや赤みが生じてきます。

中には発熱や全身倦怠をともなうこともありますが、いずれにしても健康な皮膚と患部との境界がはっきりしているのが特徴です。

頭部、ヒジ、ヒザといった刺激を受けやすい部位に発症する例が多く、一度発症すると完治が難しいです。

欧米では昔から多い病気ですが、日本でもここ最近増加傾向にあります。

乾癬が増えた大きな原因としては、食生活の欧米化の影響が大きいと語るのは、富山医科薬科大学皮膚科の関教授です。

昔の日本人であれば、メザシとご飯と梅干しといった質素な食内容ですんでいたのが、ここ数十年の間にステーキだの、ハンバーガーだの、バターだのという脂肪分の多い食品の摂取量が急激に増えました。

それが乾癬の罹患率増加の一因と考えられています。

乾癬の起こるしくみはまだよくわかっていない部分が多いのですが、現在のところ遺伝的な素因と免疫異常が深く関係して発症すると考えられています。

免疫機能に異常が起こると、炎症を誘発するいろいろな物質が体内に生み出されてきますが、ロイコトリエンＢ４のような、炎症の一連の流れの最終段階で出てくる起炎物質が、乾癬の発症を促す要因の一つであることがわかっています。

ただし、免疫機能に異常が起こったからといって、すべての人に乾癬が生じるかというと、そうではありません。

遺伝的な素因、あるいは何らかの原因で免疫機能に異常が起こったとき、先に言ったような脂肪分の多い食生活をしていると、乾癬発症の引き金になったり、乾癬の症状を悪化させる大きな原因になるのです。

逆に考えれば、遺伝的に乾癬を起こす素因をもっている人でも、生活スタイル、とくに食習慣を配慮することで、乾癬の発症を最小限に防ぐことができるというわけです。

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