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血管病と呼ばれるものの代表的なものが動脈硬化です。

動脈は、心臓の拍動で勢いよく押しだされる血液を全身に送る管ですから、たいへん弾力に富んでいます。

心臓が血液を送りだすために収縮すると、血液はどっと動脈に流れます。動脈は拡がってその流れの勢いをうけとめ、逆に心臓の拡張期、すなわち血液を押しださなくなると、末梢の血管の弾力性を利用して血液に圧力を加え送り流します。

ところが、この動脈の壁に硬化という現象が起きると、よけいに心臓に負荷がかかる他、血管では弾力が低下し、もろくなったり、血管の内側などよりかゆ状の物質を含んだ盛り上がりが起こり、血管の内腔がせまくなるなどして血流不足を起こし、いろ いろな病気を招きます。

静脈には動脈のような圧力がかかりませんから、弾力性は乏しくなっています。

大静脈など静脈は血液をためておく役割もあって、からだを循環している総血液量の約８０パーセントを静脈内にたくわえています。

この静脈の血管にもつまったり、拡がりすぎたりする病変が起こり、静脈内に血栓などがたまると、血栓性静脈炎という病気などが起こります。

しかし、なんといっても血管病の中心は動脈硬化によるものが頻度としてもっとも高いものです。

（続く）

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